京都,京都市,桂,西院,西京極,上桂,洛西口,鍼灸院,頭痛,腰痛,坐骨神経痛,肩こり,ぎっくり腰,腱鞘炎,頚椎症,寝違い,ムチウチ症,顎関節症,五十肩,自律神経失調症,うつ病,円形脱毛症,胃下垂,口コミ,北陸,勉強会             

 


ぎっくり腰の症状

ぎっくり腰とは、レントゲンやMRI検査をしても異常が無く、急に腰が痛み動けなくなるものの総称です。検査をしても異常がみつからない、原因は腰やその周辺の筋肉の痙攣です
 
その中でも一番多いのが大腰筋の痙攣です。大腰筋は腰椎の両サイドから足の付根の大腿骨小転子(コマネチのコの辺り)に付着しますが、文字通り大きな腰の筋肉なので痙攣したときの痛みも激しいです。
また体の深い所に位置するために大腰筋単独で痙攣している場合は、腰の痛む箇所を押しても大腰筋にまで力が伝わず、浅層の脊柱起立筋に力が加わるだけなのでほとんど痛みません。

そして横隔膜の近くに位置するために咳、くしゃみで腰に響くような感覚があり、腰が真っ直ぐ伸びません。朝に発症したり、症状が増悪します。

横になる時は身体を丸くしてじっとしているとまだましですが、寝返りをうつのも一苦労で、ひどい場合はトイレへ這って行くこともあります。

勿論、ぎっくり腰が大腰筋の痙攣以外だけではなく脊柱起立筋や多裂筋、回旋筋、中小殿筋が悪いこともあります。

 
大腰筋の痙攣とは反対に、脊柱起立筋の痙攣の場合は地面のものを拾うような前屈姿勢ができませんので、背中をまっすぐにして気をつけの格好になります

 
また中小殿筋が痙攣すると痙攣している側に重心をかけると痛みますので、それを庇いバナナのように横に曲がった姿勢になります。 

ぎっくり腰の原因とは

普段より立ったり屈んだりやおじぎの動作、または坂や階段を登る動作や中腰等や同じ姿勢が普段より多ければなりやすいです。筋肉はいつもの運動量しかこなせません。それ以上のことをすれば筋肉は痙攣を起こします。

 
さらに、冷えやアルコール、たばこ、筋肉を溶かす副作用のある薬も痙攣を起こす1つの要因となります。

筋肉の痙攣で一番馴染み深いのは、ふくらはぎの筋肉が痙攣、俗に言うこむら返りです。睡眠中や激しい運動をしていて経験された事があるのではないでしょうか。

 
こむら返りを起こすと激痛でつま先がむりやり下を向い(底屈)てしまいます。ふくらはぎにある腓腹筋という筋肉はつま先を下に向ける作用がありますが、痙攣すると筋肉が収縮しっぱなしになるために、先述の通り痛みでつま先が下を向くような肢位になります。

これが大腰筋で起こっているのがぎっくり腰です。大腰筋が収縮すると前に曲がってしまってしゃんと姿勢を真っ直ぐに正すことができません。重度の場合は微動だにできなくなります。

余談ですが、こむら返りの大半も大腰筋の緊張が原因となります。ふくらはぎを栄養する血管が大腰筋を通っており、大腰筋の緊張でふくらはぎが血流不足になるからです。

話が少しそれましたが、深夜から朝方は心臓の拍動がゆっくりになり筋肉への血流が減少するので起床時はギックリ腰を起こしやすい時間帯になります。

 
従って重い物を持たなくても、少し動いただけでぎっくり腰になることが多々あります。

過去にぎっくり腰の経験があると繰り返す事が多いです。癖のようになって何回か繰り返している人なら、ぎっくり腰になる気配を感じた事がある方もいるでしょう。

ではなぜ、ぎっくり腰はクセになると言われているのか。それはぎっくり腰を起こしたときにどんな治療を受けたかがポイントになります。痙攣をおこしている大腰筋に鍼をしてくれる鍼灸院で治療を受け、痛みが無くなっても2,3回追い打ちをかけて完全に治したか、が予後を決定します

 
これは自分の腰でも経験済みなのですが、大腰筋に鍼をせずとも安静にしているとぎっくり腰の強い痛みはいつか治まります。そして治ったと安心します。しかし結局そこから腰痛持ちの仲間入りです。そして最初は違和感やダルさだったのが蓄積するとぎっくり腰になってしまい、それが繰り返されて癖になるわけです。

ちなみに大腰筋の緊張を放置しておくと、足を支配する神経を圧迫して神経痛を起こしたり、ほかにも腰椎のすべり症や分離症、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症の原因になり、手術を要するケースもあります。緊張を早期に解消するのが先決です。

 

大腰筋が痙攣している場合、腰を真っ直ぐ伸ばせません。

 

ぎっくり腰と他疾患との鑑別

治療をする前にギックリ腰かどうか見極めなければなりません。ぎっくり腰の症状が似ているのが尿路結石と腰椎の圧迫骨折、急性ヘルニアです

どれも腰が痛むのですが、ぎっくり腰も前の2者も咳、クシャミで響きます。

また尿管結石は立った状態で左手の手根を腰にあてその上から右手でポンポンとたたいてやると石が尿管の狭い所をずり落ちていくので痛みます。
 
また、腰椎圧迫骨折なら骨粗鬆症の疑いがないか、尻餅をついた覚えがないか尋ねます。高齢者や授乳期の女性は思い当たる節がなくても、軽い負荷で圧迫骨折する場合があり注意が必要です。以前、年子を母乳で育てた患者さんで物を持ち上げた時に腰を痛めた。そして検査をしてみると圧迫骨折だったということがありました。
 
疑わしければ腰椎を上述の要領で叩きます。圧迫骨折なら叩くと痛みますが、ぎっくり腰は案外痛みません

急性ヘルニアでは徒手検査で陽性になる事が多いようですし、MRIを撮れば白黒はっきりします。
  

ぎっくり腰の鍼灸治療

重度の場合、腰が曲がったままでうつ伏せになれず横向きで刺鍼することがよくあります。

 
大腰筋に刺鍼するのですが、横向きになると椎骨が彎曲するので入りやすい下側から刺鍼してその次に入りにくい上側に刺鍼します。

 
うつ伏せでは反対側の大腰筋に入った鍼を指標にして、もう一方もうてましたが横向きでは腰椎の彎曲を考慮して大腰筋に鍼が入る位置に刺鍼しなければなりません。

 腰が伸びないぎっくり腰の場合、メインの病巣部は大腰筋ですが、上述の通り他にも前に屈むと痛む場合や、痛みで体が横に傾いてしまう場合もあります。

 
大腰筋のみが痙攣している場合は深層に位置するために腰を押してやっても痛みません。押しても深層まで力が届かない為です。

 腰椎の両脇を押して痛むのは浅層に位置する脊柱起立筋や回旋筋、多裂筋が痙攣している場合です。ぎっくり腰になり腰が曲がったままになると、上体が前に倒れこまないよう、それらの筋肉が後ろから引っ張って重心を保ちます。

 
そうなると、浅層の筋肉まで緊張してきます。酷いと腰が折れるように曲がり普段から視線が下になるので、前を向くために首の筋肉にまで影響が及びます
よってぎっくりを起こしたらできるだけ早く鍼を受けるべきで、間違いなく治りもその分早まります。
 
 開業してから多くのぎっくり腰の患者さんが来られました。その中でわかったのが、同じぎっくり腰でもその度合いは本当にケースバイケースであるということ。度合いはこれまでの腰痛歴や腰の曲がり具合から判断します。というのはぎっくり腰のような急性の疾患でも重症の場合は3寸-5番で大腰筋に刺入してもほとんど響きません。そして当然の如く効果も芳しくない。

そこで15番位の鍼に変えて刺入するとズーンと悪い所に当たっている響きがあり、抜鍼後は腰が伸びて咳クシャミをしても響きません。まさに『霊枢・九鍼十二原』の「刺之要、気至而有効」(刺鍼のポイントは気が至って有効である」です。

また反対に軽症の場合は5番鍼を4、5本刺しただけでもしっかりと響き腰がしっかりと伸びます。やはり効果はちゃんと患部に中っているかのようにしっかりと響いて、抜鍼する頃には痙攣が解除され、最初より響きがマイルドになっているかで決まります。

 
 

ぎっくり腰を治療した後の養生法

鍼をするとほぼ1回でぎっくり腰が治り、前に曲がっていた腰もしゃんと伸びます。しかし安心するのはまだ早く、上述した通り痛みが消失してから、3回程鍼を受けられるのがその後の事を考えると良いでしょう

なぜなら1回ではぎっくり腰の状態からは抜けだせますが、そのベースとなっていた慢性腰痛まで完治というわけにはいきません。

 
この慢性腰痛をしっかりと治療しておかないとまた疲れがたまってぎっくり腰となってしまいます。ここがぎっくり腰が癖になるかならないかの分かれ道です
 
開業当初は痛みが無くなればそれでいいと思っていました。しかし治ったはずの患者さんが数ヶ月後や、ちょうど1年後位に再来院ということがあった為、考えが変ったのです。

最後に治療を受けた後の過ごし方です。直後は昼寝をしたり安静にしているのが理想ですが、だからといってずっと寝ていればいいのかというとそうでもありません。筋肉は使わないと血流が悪くなり、それが長期間続くと萎縮していまいます。腰のコルセットを長期間装着することを感心しないのも同様の理由です。

よって無理をしない程度で動かしてもらうのが一番良いのです。腰と相談しながら徐々に普段の生活を取り戻していって下さい。


また温めるのが良いか冷やすのが良いかと、よく患者さんから聞かれるのですが、温めた方がいいのです。なぜなら腰の筋肉が緊張した成れの果てがぎっくり腰です。ぎっくり腰は筋肉の緊張が強まってこむら返りの状態ですから温める事によって血管を拡張させて筋肉組織に酸素を送り込んで痙攣を解きます。

反対に冷やすのが良いという情報がありますが、病巣部で炎症が起きているからそれを抑える、もしくは冷やして神経を麻痺させようと考え方だと思います。しかし実際は炎症が疑われるような所見はありません。却って快復が遅くなります。

ぎっくり腰は病巣部が体の深い所にあるために温めて劇的な効果が望めませんが浅い部分には少しは熱が届くので、湯冷めに気をつけてゆっくりと風呂につかるなど温めるのをおすすめします。